著者: @kotauchisunsun
公開日: 2026/06/03
AI Coding.Infoというサイトを2025年7月から運営しています。
これは、Claude CodeやCodex CLI、あるいはGithub Copilot、Geminiなど、AI Coding Agentに関する利用動向をGithubのリポジトリの情報から定点観測するサイトです。 AI Coding Agentの利用の判定として、以下のような条件で毎日調査を行っています。
https://ai-coding.info/reports/articles/20260504
AI Coding Agentのリポジトリ利用率は11.1% で、前回10.0%から1.1%増加です。


今回、特に取り上げたいのはTypeScriptのAI Coding Agentの利用率です。
TypeScriptはAI Coding Agent利用率が50%を超えました。

https://ai-coding.info/languages/typescript?date=2026-06-01#adoption-rate
いつかこの日が来るかな。と思いましたが、とうとうやってきたようです。
もうTypeScriptではAI Coding Agentを使わない方がマイノリティという時代
が来たようです。これは割と衝撃的な自体かな。と思います。
2026/6/1のAI Coding Agent利用率
https://ai-coding.info/?date=2026-06-01#adoption-rate
2026/5/1のAI Coding Agent利用率
https://ai-coding.info/?date=2026-05-01#adoption-rate
2026/5/1~2026/6/1までのAI Coding Agent利用率の推移
https://ai-coding.info/?date=2026-06-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#share-trend
プロダクト別のシェアは以下のようになっています。
| 順位 | 製品名 | シェア率 |
|---|---|---|
| 1位 | Codex CLI | 36.9% |
| 2位 | Claude Code | 32.8% |
| 3位 | Copilot Agent | 16.8% |
| 4位 | Gemini CLI | 6.1% |
| 5位 | Cursor | 5.1% |

個人としては「Claud Codeのシェアが削れ、Codex CLIのシェアが伸びる」。という予測があったのですが、意外とそうでもなかったです。Codex CLIに関しては1.8%増と大きなシェアの増加はありますが、Claude Codeに関しては、先月と同等程度のシェアは維持できているのだな。と意外な側面がありました。 一方で、「Github Copilotのシェアが少し減っているな」という感触があります。最近でも、Github Copilotは料金プランの改定があったり、若干の物議を醸しているため、今後も下落傾向が続くかもしれません。 5月にはGoogle I/Oがあり、Antigravity 2.0周りの発表もありました。先月、Geminiは5.8%のシェアで、今月は6.1%なので微増。という傾向です。Antigravityに関して、シェアを計測しているロジックは入れていませんが、もしかしたらある程度、既存のGeminiの方にも良い影響を与えているのかもしれません。
2026/6/1のAI Coding Agentシェア率
https://ai-coding.info/?date=2026-06-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#agent-share
2026/5/1のAI Coding Agentシェア率
https://ai-coding.info/?date=2026-05-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#agent-share
一番AI Coding Agentが利用されているプログラミング言語は「TypeScript」、2番目は「Rust」、3番目は「Python」、4番目は「Go」、5番目は「C#」です。 1番使われている言語が「TypeScript」ということは変わりませんが、2軍として「Rust・Python・Go」あたりは安定してきたな。という印象があります。この辺りは2軍の中で上下している。という感じです。「C#・Kotlin・C++」あたりは、頭一つ抜けてる。とまでは言いづらく、この辺が3軍のラインなのかな。という印象です。その下の「Javascript・Ruby・Java」あたりを入れるか入れないか。みたいなところがあり、1軍・2軍・その他ぐらいの印象が強いです。

2026/6/1のAI Coding Agentのプログラミング言語別ランキング
https://ai-coding.info/?date=2026-06-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#language-agent-rank
2026/5/1のAI Coding Agentのプログラミング言語別ランキング
https://ai-coding.info/?date=2026-05-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#language-agent-rank
2026/5/1時点では1,436件だったリポジトリ数が、2026/6/1時点では1,611件となり、AI Coding Agentを利用しているリポジトリは175件増加しています。

2026/5/1~2026/6/1までのAI Coding Agentを利用利しているリポジトリ数の推移
https://ai-coding.info/?date=2026-06-01&since=2026-05-01&until=2026-06-01#time-based-bar-chart
先述した通り、2026年6月1日のデータによるとTypeScriptのAI Coding Agent使用率が53%となり、半数を超えました。プログラミング言語の中でも圧倒的にAI Codingの浸透率が高い分野となっています。では、
過去と比べて、GitHubの人気リポジトリはどれほど入れ替わったのか?その影響はAIなのか?
ということを見ていきたいと思います。 今回、2025年9月1日に調査したGitHubのTOP 300のリポジトリのデータと、2026年6月1日に調査したGitHubのTOP 300のリポジトリのデータを比較します。

まず、毎日 TOP300をクロールしていますが、一部エラーや余剰が発生し、厳密に300出ないことが有ります。2025年9月1日に調べたリポジトリ数は312、2026年6月1日に調べたリポジトリ数は299でした。
2025年9月1日の調査では312リポジトリ調査しており、その時、AI利用が確認できたのが21.5%(67件)、AI未利用だったのが78.5%(245件)でした。それが、2026年9月1日時点では234件になっています。したがって、
9ヶ月間で25%のリポジトリがTOP300圏外になりました。
では、TOP300圏外になったリポジトリについて考えると、
したがって、「TOP300圏外になること」に関しては、AI利用とAI未利用に関して、有意的な差は無さそうです。
まず2025年9月1日時点でAI利用のあった67件のリポジトリはどうなったか。というと、先ほどの議論から、2026年6月1日時点で全体が50件に減りました。
という結論です。個人的には2件もあるのは驚きではありますが、全体としては
1度AIを採用したら、そのままAIは継続して利用し続けている。
ということが大筋で分かります。 では、AI未利用のリポジトリはどうでしょうか。これも同様に、母数が184に減ります。そこから考えると、
ここから、 TOP300を維持しているAI未利用だったリポジトリのうち、約1/3にあたるリポジトリがAIの利用に方針転換をしている。 ということが分かります。
グラフから、新規でTOP300にランクインしたリポジトリは65件です。
となっています。新規にTOP300へランクインしたリポジトリのうち約3/4はAIを利用しています。
ここでTOP300のランキングのうち、流入と流出という観点で解析してみたいと思います。 必要な事実を並べると以下のようになります。
ここから、
TOP300において、 AI利用のリポジトリは確実に増えている。 ということが言えます。
「2025年9月から2026年6月までの9か月間で、TypeScriptのスター数TOP300におけるAI Coding Agent利用率は21.5%から53.8%へと急増した。」
ということから、
「AIを使わないOSSは大幅に消え、ランキングTOP300の構成リポジトリは大きく変わったのではないか」
ということが仮説としてあった。しかし、実情はそうではなかった。というのが結論である。 まず、TOP300圏外になったリポジトリに注目すると、AI未利用だったリポジトリの離脱した割合は24.9%、AI利用だったリポジトリの離脱した割合は27.9%だった。ほぼ同じともとれるし、AI利用の方が離脱率が高い。とも取れます。 では、残留したリポジトリに関して議論すると、もともとAI未利用だったリポジトリは、1/3がAI利用に転換、2/3がAI未利用を維持。もともとAI利用だったリポジトリはほぼAI利用を維持。ということになります。 最後に、TOP300リポジトリへ新規ランクインしたリポジトリに関しては、3/4がAI利用、1/4がAI未利用である。ということです。 物語として、
「AIによってすべての既存OSSのランキングは一掃された」
とかいうのが面白い結果ではあるのですが、現実はそうではなく、
AI未利用だったリポジトリがAI利用へ転換し、ランキング上位に残存している。
というところです。ある種、よく考えれば解析をするまでもなかったかな。という感じでした。「AI Coding Agent利用率は21.5%から53.8%へと急増した。」を見たとき、「AIを使っていない47.2%は既存のOSSであり、新規参入でAI利用していない人は少ない。」ということは、おおむね直感的に分かった範囲かもしれません。しかし、「AI Coding Agentを利用しているリポジトリは、新規か既存か?」という問いは、前提のデータだけでは答えらず、今回の解析で分かったことだと思いました。「OSSも大きくなってしまうと体制が変えにくい=AI導入をし辛いのかな」という感触はありましたが、「既存OSSでも、9か月で1/3程度がAI利用に転じている」というのは、すごいことなのかもしれません。 個人の感触としては、「もうここ半年以上、手でコード書かなくなったかな」みたいなことは思っていました。しかし、これはソフトウェア開発業界にいるから、この速度感に慣れているのであって、別の業種の現場感だと、あり得ない感じなのかな。と思います。その意味では、やはりAIの浸透速度は、別業種から考えれば異様な速度感なのかもしれません。 一方で、やはりAIの波は全てを飲み込む。という感触はあり、新規でランクインするリポジトリはAI利用が多いです。この解析では、AI未利用のリポジトリもAI利用のリポジトリも同程度の確率で、ランキング圏外になります。そうすると、おのずと、ランキング全体でのAI利用率というのはジワリと増え続けます。また、AI未利用だったOSSも1/3がAI利用へ転換しています。そう考えると、
「AIを使わないOSSは消えていくのか?」
という問いの答えは、
「TOP300のリポジトリのうちAIを利用したOSSが占める割合は増えていく」
ということです。これは「新規OSSでも、AIがあれば既存のOSSをジャイアントキリングできるか」ということではなく、「既存のOSSも同様にAIを使っていくことで進化している」ということです。つまり、AIにより既存OSSを淘汰しているのでなく、既存OSSに対しても、新規OSSに対してもAIが浸透していることが分かりました。AIは既存勢力だけの武器でも、新興勢力だけの武器でもない。
「AIはある意味で平等」
なのかもしれません。