著者: @kotauchisunsun
公開日: 2026/09/29
AI Coding.Infoというサイトを2025年7月から運営しています。
これは、Claude CodeやCodex CLI、あるいはGithub Copilot、Geminiなど、AI Coding Agentに関する利用動向をGithubのリポジトリの情報から定点観測するサイトです。 AI Coding Agentの利用の判定として、以下のような条件で毎日調査を行っています。
https://ai-coding.info/reports/articles/20260812
AI Coding Agentのリポジトリ利用率は13.9% で、前回13.0%から0.9%増加です。


2026/9/1のAI Coding Agent利用率
https://ai-coding.info/?date=2026-09-01#adoption-rate
2026/8/1のAI Coding Agent利用率
https://ai-coding.info/?date=2026-08-01#adoption-rate
2026/8/1~2026/9/1までのAI Coding Agent利用率の推移
https://ai-coding.info/?date=2026-09-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#share-trend

プロダクト別のシェアは以下のようになっています。
| 順位 | 製品名 | シェア率 |
|---|---|---|
| 1位 | Codex CLI | 42.3% |
| 2位 | Claude Code | 32.0% |
| 3位 | Copilot Agent | 14.4% |
| 4位 | Gemini CLI | 4.9% |
| 5位 | Cursor | 4.0% |
2026/9/1のAI Coding Agentシェア率
https://ai-coding.info/?date=2026-09-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#agent-share
2026/8/1のAI Coding Agentシェア率
https://ai-coding.info/?date=2026-08-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#agent-share
一番AI Coding Agentが利用されているプログラミング言語は「TypeScript」、2番目は「Rust」、3番目は「Python」、4番目は「Go」、5番目は「C#」です。

2026/9/1のAI Coding Agentのプログラミング言語別ランキング
https://ai-coding.info/?date=2026-09-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#language-agent-rank
2026/8/1のAI Coding Agentのプログラミング言語別ランキング
https://ai-coding.info/?date=2026-08-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#language-agent-rank
2026/8/1時点では1,940件だったリポジトリ数が、2026/9/1時点では2,069件となり、AI Coding Agentを利用しているリポジトリは129件増加しています。

2026/8/1~2026/9/1までのAI Coding Agentを利用利しているリポジトリ数の推移
https://ai-coding.info/?date=2026-08-01&since=2026-08-01&until=2026-09-01#time-based-bar-chart
私は普段、「こたうち企画」というYouTubeチャンネルで、主にスマートグラスに関する情報を発信しています。
PodCast「こたうちのミライのメガネ」も毎週更新しています。
また、noteでも週刊「世界のスマートグラスのニュース」という記事を毎週公開しています。
https://note.com/kotauchisunsun/m/mf522aa5d3efd
そのような人間が、なぜAI Coding Agentの利用動向を調査するサイトを作ったのか。今回は、AI Coding.Infoを作り始めたきっかけについてお話しします。 一見すると別の分野のようですが、出発点にあったのは、
「スマートグラスのソフトウェア開発を、AIの力で効率化したい」
という気持ちでした。 2025年1月頃、私はLILYGO社の「T-Glass」という片目のスマートグラス向けに、ソフトウェアを開発していました。
T-GlassにはESP32が搭載されており、この上で動くプログラムを書いていました。 当時、特に課題に感じていたのが、ビルドと実機への書き込みにかかる時間です。プログラムを少し変更しても、ビルドして、実機に書き込み、動作を確認する必要がありました。私の開発環境では、この一連の流れに時間がかかり、試行錯誤の回数を増やしにくい状況でした。 そこで考えたのが、ESP32上にJavaScriptエンジンの「QuickJS」を載せる方法です。 すでにQuickJSをESP32向けに移植した先行事例があったため、それを利用しようと考えました。
https://qiita.com/binzume/items/f04d3b1b06cd0f7d3111
https://github.com/binzume/esp32quickjs
最初にスクリプトを実行する環境を用意しておけば、その後はJavaScriptのコードを差し替えることで、動作を変更できるのではないかという発想です。
ESP32はWi-Fiにも接続できます。そこで、普段使っているTypeScriptでコードを書き、JavaScriptにトランスパイルしてファイルサーバーに置く。T-Glassのボタンを押すと、Wi-Fi経由でサーバーに置かれたJavascriptのコードを取得し、QuickJSで実行する、という流れを作りました。このワークフロー自体は動かすことができました。
JavaScript側の変更であれば、ファームウェア全体をビルドして書き込み直す必要がなくなります。TypeScriptの型を活用しながら、実機での確認を短いサイクルで繰り返せる開発環境を目指していました。
ただし、JavaScriptが動けば、それだけでスマートグラスのアプリケーションを自由に作れるわけではありません。 例えば、JavaScriptからGUIを操作するためには、QuickJSとC言語側のGUIライブラリをつなぐ、ブリッジ部分の実装が必要です。これを書くには、QuickJSの仕組み、GUIライブラリの使い方、さらにJavaScriptとC言語の間で値を受け渡す方法などを理解しなければなりませんでした。 当時はまだそこまでAIが賢くなかったので、まずは自分で実装してみたのですが、必要な知識も多く、同じような処理をほかの関数にも広げていく作業は、なかなか大変でした。 そこで活用したのが、AI Coding Agentです。当時はRoo Codeを利用していました。 最初に私が1つの関数についてブリッジ部分を書き、それをサンプルとして、AIに他の関数にも同じような実装を広げてもらいました。すべてをAIに任せるのではなく、自分で実装の方針と手本を示し、それに沿って作業を進めてもらう使い方です。 この開発の試みは、最終的に構想全体を完成させるまでには至りませんでした。理由としては、やはりJavascriptとC言語であれば根柢の思想が違いすぎるからです。例えば、ポインタの利用などが壁になります。一般的にESP32系で使われているGUIライブラリのLovyanGFXの関数をそのまま移植しても、ポインタの塊になり、これをどのようにJavascriptで扱うか。が課題になりました。そのため、LovyanGFXの関数をべた移植するだけでJavascript上では見通しが悪く、何かしら抽象層が必要だったと思います。しかし、ただ、1つの実装例を用意すれば、それをもとに対応する関数を増やしていけることには、大きな可能性を感じました。 1人でソフトウェアを開発していく上で、自分ですべてを書くのではなく、AIに任せられる部分を増やしていく。そのためにも、AI Coding Agentについて、継続して知っておく必要があると考えるようになりました。
一方で、AI Coding Agentを追い続けること自体にも、大変さを感じていました。 当時(2025年初頭)は、ClineやRoo Codeといった、VS Codeの拡張機能として使うAI Coding Agentが話題になっていました。そのほかにもDevinや、私が以前コントリビュートしたOpenHandsなど、さまざまな選択肢がありました。 新しいツールや機能の情報が次々に出てきて、「今は何を使うのがよいのか」という話が、毎週のように更新されていく感覚がありました。私自身も情報を追い、いろいろなツールを試していましたが、それを続けることに疲れを感じていました。 また、話題になっているツールを試すことはできても、なぜそれを選ぶのか、自分の中にはっきりした判断軸がありませんでした。いわゆるAI驚き屋というものに振り回されている構図です。 新機能の発表や評判だけではなく、何かしらの実態に基づいて、自分が使うツールを選びたい。マーケティング上の情報だけではない、一次情報を判断材料にしたいと考えました。 そこで気になったのが、
「GitHubの公開リポジトリでは、どのAI Coding Agentが取り入れられているのか」
ということです。
そうして、2025年7月に公開したのがAI Coding.Infoです。 GitHubの公開リポジトリに、各AI Coding Agentが利用するルールファイルがあるかどうかを調べ、その結果を毎日記録するサイトにしました。 もちろん、この方法で分かるのは、あくまでリポジトリにルールファイルが置かれているかどうかです。実際の利用頻度や生成されるコードの品質を測るものではなく、ルールファイルを置かずに利用しているケースも捉えられません。 それでも、同じ方法で観測を続ければ、どのツールに対応したルールファイルが増えているのか、どのプログラミング言語で導入が進んでいるのか、といった変化を見ることができます。 利用が多いから、そのツールが自分にとって最適だと決まるわけではありません。ただ、次々に流れてくる情報だけを追うのではなく、公開リポジトリで確認できる変化を、自分の判断材料の一つにできると考えました。 また、
AIの情報を追い続けることに疲れているのは、私だけではないだろう
とも感じていました。自分のために調べたデータを公開することで、同じようにツール選びに迷っている人にも役立つのではないか、という気持ちもありました。 AI Coding.Info自体の開発にも、AI Coding Agentを使っています。プロトタイプは約2週間で作り、その後も試行錯誤しながら修正を重ねてきました。そうして利用動向の定点観測を続け、公開から約1年が経ちました。 もともと私がやりたかったのは、新しいAI Coding Agentを片っ端から試すことではなく、スマートグラスのソフトウェアを一人でも効率よく開発することです。そのためにAIの支援を受けたい。そして、どのAI Coding Agentを使うかを考えるための判断材料がほしい、という流れでした。 スマートグラスのソフトウェアを作るためにAIを活用し、そのAIを選ぶ判断材料としてAI Coding.Infoを作る。 これが、スマートグラスマニアの私が、このサイトを作り始めた理由でした。